犬を飼う前の心得

犬は古来から人間のパートナーとして生活を共にしてきました。人間と犬がお互いに理解し合い、支え合って、一生を家族として過ごす。犬にとっても人間にとってもそれは素晴らしい事だと思います。犬が与えてくれるものは、母性、友情、愛情、癒し、命の大切さなど、その大きさは計り知れません。犬との生活は何ものにも代えがたい良さがあります。ですが、だからと言って簡単に犬を飼おうと思わないでほしいのです。犬を飼うのには、相応の手間やお金がかかります。きちんと躾けをすれば最高のパートナーとなる犬も、躾けをする前はわがままな赤ちゃんです。言葉の通じない相手を躾けるには根気強く向かっていく気持ちと愛情、それに時間も必要です。大抵の人は犬を飼うとき、家族とともに仲良く遊ぶ犬の様子を想像すると思います。しかし、それを実現するには犬に関する正しい知識と、手間とお金がかかるということを覚えておいて欲しいのです。

犬を飼う前に知っておくべき事

お金がかかります

犬を飼うために必要な費用は、犬の生体自体を購入する費用だけではありません。飼育のためのグッズ、たとえばトイレやリード、ケージ、サークル、キャリー、食器、おもちゃなど犬を迎える前にそろえなくてはならないグッズだけでも2万~4万はかかります。毎月の食事はおやつ代も含めると大体3000円~8000円。その他にもシャンプーやペットシーツなどの消耗品が1000円~2000円程度毎月かかるのです。犬は決められた予防接種も行わなければならないのでその費用も掛かりますし、健康診断を受ける必要もあります。人間と違って保険が効かないため、病院代は一回2万~4万とかなりの出費です。さらに避妊手術をする場合にも2万~4万円掛かります。病気になった場合にはもっとお金がかかるので、急な出費に対応できるように貯金しておかなければなりません。このように、犬を飼うにはお金が要ります。生体だけでも10万~60万円は掛かるのに、その後のケアにも大変な費用が掛かることをきちんと考慮しておきましょう。家族の一員となった犬が十分な生活を送れるだけの余裕が家計にあるかどうか、熟考してください。

手間がかかります

犬に毎日の散歩が必要なことはみなさんご存知の事と思います。犬を飼う前は、散歩くらいどうってことないと思ってしまいますが、毎日となると意外と大変です。どんなに疲れていても、体調が悪くても、犬のために散歩に出ることが出来ますか?雨の日でも雪の日でも炎天下でも、面倒くさがらずに散歩をすることができますか?また、犬にも生活リズムがあります。散歩は毎日決まった時間に行わなければいけません。休みの日でも犬のために早起きする必要があるのです。また、犬には躾が必要です。「お手」や「お座り」を覚えさせるだけではなく、トイレの場所を覚えさせたり、興奮しても吠えないように躾けたり。犬は頭のいい動物ですが、一日で全部を覚えられるわけではありません。人間の言葉も通じないので、根気よく愛情を持って毎日教え続ける必要があります。その他にも、ブラッシングしたり、定期的にシャンプーしたり、爪を切ったり歯を磨いたり、病院に連れて行ったりと思いのほか日々やらなければならないことがあるのです。自分の時間を犬のために犠牲にする覚悟がなければ犬を飼うことはできません。

色々な制約が付きまといます

犬を飼うことであなたの生活に色々な制約が付きまとうことになります。例えば、一日中家を空けていると、犬が淋しがって無駄吠えするようになるため、なるべく早く帰ってあげなければいけません。飲み会などがあってもさっさと切り上げて家に帰る必要があります。また、旅行なども簡単には出来なくなりますね。犬も一緒に、と考えている方もいるかもしれませんが、犬連れで受け入れてくれる旅館やホテルは少なく、そういったところは同じような状況の旅行者に人気で空きがなかったり、料金が高かったりします。観光名所などもペット禁止のところが多いですし、移動するにも小型犬ならばキャリーに入れて運ぶことができますが、大型犬の場合はそれも不可能です。車を持っている方で、アウトドアに行く場合などは犬が一緒でも楽しいと思いますが、他のお客さんに迷惑をかけないよう、終始犬を見ていなければいけないので意外と大変です。慣れない環境に連れてこられたことでパニックになることもあるので、旅行中は充分な配慮が必要です。ペットホテルに預けるという場合には、お金が掛かりますし、他の動物もいるペットホテルは犬にかなりのストレスを与えることになります。犬の生活リズムを崩さないために、毎日同じ時間に食事と散歩をしなければいけないという点も制約になると思います。また、子犬を飼う場合には、人間の赤ちゃんと同様子犬中心の生活をしなければなりません。餌の世話からトイレの世話までやらなければならず、寝不足になることもあります。

あなたより早く死にます

お金も時間も手間もかけて、愛情たっぷりに育てた犬でも、10年~15年でその生涯に幕を下ろします。それは犬の寿命なのですからどうしようもないことです。どんなに大切な犬でもあなたより先に死んでしまいます。その時のことを想像してみてください。飼う前から死ぬときのことを考えるなんて…と思うかもしれませんが、大切な家族を亡くした時の喪失感は考えるだけでも辛いものです。また、犬も眠るように亡くなる子もいれば、おむつが必要になったり、病気で苦しんで亡くなる子もいます。それを可哀想だからと安楽死させるのか、最後まできちんと世話をするのかは飼い主の自由ですが、そんな姿を見ても愛情を持って接する事が出来ますか。犬の介護は大変です。つきっきりで看ていなくてはいけないですし、彼らは自分の要望を言葉で伝える事ができないので、飼い主がその気持ちを汲み取ってあげなければいけません。人間の介護だって大変なのに、言葉の通じない犬の介護となればどれだけ大変か、想像すれば分かりますよね。そうなっても犬を見捨てず、最後まできちんと面倒を見ることができるかどうか、よく考えてみてください。

犬を飼う前の最低限の準備

家族の承諾を得る

犬は単なるペットではなく、あなたの家族の一員になります。家族が一人増えるのですから、他の家族の同意をきちんととっておきましょう。誰か一人でも反対する人がいるのなら、説得できるまで犬を迎えるのは控えた方がいいでしょう。家族全員が納得して犬を迎え入れることは最低限の条件だと思います。家族の同意が取れたら、食事を与える係、散歩に連れて行く係、トイレの掃除係など、誰が世話を担当するのかを話し合っておきましょう。誰か一人に面倒なことを押し付けるのではなく、皆で分担してお世話をすることで、犬自身がストレスを感じ難くなります。犬は人間のストレスにも敏感に反応するので、家族全員が納得して世話をしている状態が一番いいのです。

動物病院を探しておく

犬がいつ病気になったり怪我をしたりしても大丈夫なように、最寄りの動物病院を探しておきましょう。営業時間や定休日なども調べておくといいですね。どこの病院がいいのか分からないという場合には、近所で犬を飼っている人に聞いてみたり、インターネットで口コミを検索してみるといいと思います。怪我や病気にならなくても、定期健診や予防接種を受ける必要があるので、必ず動物病院は見つけておきましょう。また、緊急のときに対応してくれる病院や24時間受け付けの病院などもいくつか探しておくと安心です。家族全員が対応できるように動物病院の連絡先リストを作っておくといいでしょう。

躾について学んでおく

犬の躾はそれほど難しいものではないですが、正しい知識を身に着けておく必要があります。犬を迎えたその日から躾は始まるわけですが、いきなり厳しくしても子犬は怯えてしまいますし、むやみに叱ったり叩いたりしては逆効果になります。犬がソワソワし始めたらトイレに連れて行く、失敗してしまったら綺麗に掃除して匂いを消しておく、などトイレの躾一つとっても色々なルールがあります。また、家に来たばかりの時は可愛くてついかまったり、抱っこしたりしがちですが、子犬は初めての場所と初めての人に不安になっています。やたらと声を掛けたり構い過ぎたりせず、徐々にならしていくのが大切です。そういった細かいルールもきちんと家族間で共有しておきましょう。

必要なグッズを揃えておく

犬を迎え入れる前に最低限必要なグッズをそろえておきましょう。必要な物は以下の通りです。ケージやサークルは犬のサイズに合わせて選びます。手足を伸ばしても余裕があるくらいのサイズがいいです。ケージ内にトイレを置く場合にはトイレのサイズも考えて選びましょう。小型犬の場合は子犬から成犬になるまであまりサイズに変化がないので、成犬になったときのサイズを考えて選びましょう。中型~大型犬の場合は、成長するにつれてサイズが変わるので、その都度買い替えるようにします。キャリーは動物病院などに連れて行くときに必要になります。キャリーの中でもストレスを感じないように、普段からキャリーに入る練習をしておきましょう。おもちゃやエサをキャリーの中に入れておいて、自然と犬の方からキャリーの中に入ってくれるようにしておくと後々楽だと思います。おもちゃは間違って飲み込むことのないようなサイズのものがいいです。ぬいぐるみなどの場合は、ボタンやビーズなど誤って飲み込んでしまうものが付いている場合は外してから遊ばせましょう。齧って中綿が出てしまったら、誤飲する可能性があるので、新しいものと取り換えるか、齧ったところを縫ってあげましょう。

  • トイレとペットシーツ
  • 食器(お水用と餌用)
  • ケージまたはサークル
  • クレート・キャリー
  • ベッド・ハウス
  • 首輪
  • リード
  • おもちゃ
  • ドッグフード
  • タオル

よい飼い主になるために

上記のように犬を飼うのはとても大変なことですが、しかし裏を返せば、きちんと知識をつけ、根気強く接し、愛情と手間をかけて育てる事が出来れば、誰でも犬と楽しい生活を送ることが出来るのです。犬は可愛いです。話し相手にも遊び相手にもなってくれますし、つらいことがあったときにはそっと寄り添ってくれたりします。犬は人間にとって最高のパートナーになれる動物なのです。そうなるためには、まず飼い主であるあなたが優秀な飼い主になる必要があります。犬が言うことを聞かない、いたずらした、と犬を怒るのではなく、しつけ方が間違っていたのかな?何かストレスを与えていたのかな?と自分に原因がないかを考えるようにしましょう。反対に、かわいいからと言って悪戯しても叱らず、甘やかして育てるのも犬のためにはなりません。小さい内からきちんと躾けないと、我がままな犬に育ってしまい、飼い主だけでなく近隣の方やお散歩中に出会った他の犬に迷惑をかけることになってしまいます。悪い事をしたらきちんと叱ってあげるのも愛情です。犬は頭のいい動物です。あなたが犬に対して真剣に向き合えば、きちんとそれに応えてくれます。ただ、それを理解するのに人間よりも時間がかかってしまうというだけです。ですから、根気強く、時間と愛情をかけてあげることが大切なのです。

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